自分でできる洗濯機の取り外し方|水抜き手順と水漏れ防止の全工程
引っ越しや新生活のスタート、家電の買い替えに伴い、多くの人が直面するのが洗濯機の撤去作業です。「専門業者に頼むと余計な費用がかかるのでは」「自分で取り外して水漏れ事故を起こしたらどうしよう」と不安を抱く方は少なくありません。実は、正しい手順と要点さえ押さえれば、工具をほとんど使わずに自力で安全に取り外すことが可能です。
しかし、事前の準備を怠って手順を一つでも誤ると、床一面が水浸しになったり、階下への漏水事故に発展したりするリスクが潜んでいます。本稿では、大手家電メーカーの取扱説明書や引っ越し現場のプロが実践する安全基準に基づき、縦型・ドラム式別の完全な水抜き手順から給水・排水ホースの外し方、アース線や蛇口ニップルの扱いまで、トラブルを未然に防ぐノウハウを徹底解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:作業開始前の「水抜き」を怠ると内部残水が溢れ出すため、給水側・排水側の2段階で完全排水が必須。
- 要点2:ドラム式洗濯機は搬送用固定ボルトの装着が必須であり、重量や構造上の違いによるリスク管理が不可欠。
- 要点3:自力作業は費用を0円に抑えられる一方、無理な運搬や作業ミスは数万円〜数百万円の賠償・修理リスクを伴うため見極めが重要。
【完全図解】失敗しない洗濯機取り外しの全体フローと事前準備
洗濯機の取り外しは、ただプラグを抜いてホースを外せばよいというものではありません。本体内部やホース内には常に加圧された水や排水の残り水が溜まっており、無計画に外すと周囲に勢いよく水が飛び散ります。作業を始める前に、まずは必要な道具を揃え、全体の流れを把握しておくことが肝要です。
最低限用意しておきたいアイテムは、大きめのタオル2〜3枚、洗面器やバケツ、ビニール袋、輪ゴム、プラスドライバー、そして養生テープです。特に蛇口付近や排水口周辺は狭く、手元が狂いやすいため、床を濡らさないよう足元にタオルを敷き詰めて作業スペースを確保します。
取り外しの基本フローは以下の5ステップで進行します。
- 給水ホースの水抜き(給水ホース内の圧力を逃がす)
- 本体および排水ホースの水抜き(洗濯槽・内部ポンプの残水を抜く)
- 電源プラグ・アース線の取り外し
- 給水ホース・蛇口パーツの取り外し
- 排水ホースの取り外しと本体の養生

【縦型・ドラム式別】水漏れを防ぐ水抜きの正しい手順
取り外し作業において最も事故が発生しやすいのが「水抜き」の不備です。給水ホース内には水道管からの水圧がかかり続けており、排水側には糸くずフィルターやトラップに水が残っています。タイプ別の正確な手順を把握して作業を進めてください。
縦型洗濯機の水抜きやり方
縦型洗濯機の水抜きは、給水側から排水側の順に行うのが鉄則です。
- 洗濯槽の中を完全に空にし、水栓(蛇口)を固く閉めます。
- 電源を入れ、フタを閉めて「スタート」ボタンを押します(標準コースや通常洗濯を開始)。
- 約1分ほど給水運転を行い、給水ホース内の残水と圧力を逃がします。
- 電源を一度切り、再度電源を入れて「脱水」のみを最短時間(1分〜3分程度)に設定してスタートします。
- 脱水運転が終了したら電源を切り、コンセントを抜きます。これで内部の残水処理は完了です。
ドラム式洗濯機取り外しの注意点と追加工程
ドラム式洗濯機は構造が複雑で、本体底部やフィルター内部に水が残りやすい設計になっています。縦型と同様の脱水工程を行った後、必ず本体前面下部にある「糸くずフィルター(排水フィルター)」を緩めて内部の水を完全に抜く必要があります。
フィルターを外す際は、一気に引き抜くとコップ数杯分の水が溢れ出るため、下に洗面器やタオルを敷き、ゆっくりと緩めながら水を受けてください。また、引越し時のドラム式運搬で最も重要なのが「専用の輸送用固定ボルト」の取り付けです。これを取り付けずにトラックで運搬すると、内部のサスペンションが破損し、新居で運転した瞬間に異音やエラーで故障する原因となります。
配線・ホースの取り外し工程|アース線から蛇口ニップルまで
水抜きが完全に終わったら、各パーツの物理的な取り外しに移ります。力任せに行うと樹脂パーツの破損や水漏れトラブルを引き起こすため、各パーツの固定構造を理解して外すのがポイントです。
1. 電源プラグとアース線の外し方
感電事故を防ぐため、必ず電源プラグをコンセントから抜いてからアース線の作業に入ります。アース端子の形状には、ネジ留めタイプとワンタッチ差し込みタイプの2種類が存在します。
ネジ留めタイプの場合はプラスドライバーでネジを反時計回りに緩め、挟み込まれている芯線を引き抜きます。マイナスドライバーや指で押し込むカバータイプの場合は、ツメを押し下げながらコードを真っ直ぐ引き抜いてください。外したアース線は、先端が折れ曲がらないよう本体背面に養生テープで仮留めしておきます。
2. 給水ホースと蛇口ニップルの外し方
蛇口が完全に閉まっていることを再確認し、給水ホースの接続部を外します。蛇口側のカチット(ジョイント)のロックレバーを押し下げながら引き抜きます。この際、ホース内に微量の水が残っている場合があるため、吹き出し口をタオルで覆いながらバケツへ向けて外すのが安全です。
賃貸住宅から退去する場合、蛇口の先端に付いている「ニップル(給水用継手金具)」の取り扱いには注意が必要です。もともと部屋に備え付けられていた金具なのか、自身が前の入居時に取り付けた私物なのかを確認してください。備え付けのものを誤って外して持ち去ると原状回復義務違反となり、退去費用を請求される要因になります。
3. 排水ホースの外し方と床面養生
排水エルボ(L字型の接続パイプ)と排水ホースを固定している金属バンドやクリップを緩め、排水口からゆっくりと引き抜きます。ホースの先端からは強い下水臭とヘドロを含んだ残り水が出やすいため、外した直後に先端をビニール袋で覆い、輪ゴムでしっかり縛るのが現場のプロの定石です。

【実態検証】自分で外すリスク vs プロ業者への依頼コスト
洗濯機の取り外しを自分で行うか、引っ越し業者や家電配送業者に任せるかの判断は、コストと作業負荷のバランスにかかっています。実際の相場データとリスクを比較検証しました。
| 作業パターン | 費用相場(税込) | 所要時間・難易度 | 主なリスクと懸念点 |
|---|---|---|---|
| 完全自力作業(縦型) | 0円(道具代数百円のみ) | 15〜30分 / 難易度:低〜中 | 水抜き忘れによる床濡れ、搬出時の腰痛 |
| 完全自力作業(ドラム式) | 0円(固定ボルト紛失時は約2,000円) | 30〜60分 / 難易度:高 | 固定ボルト未装着によるドラム軸破損、重量物(70〜90kg)の落下 |
| 引越し業者オプション | 取り外し:1,500円〜3,300円 (取り付け込み:8,000円〜15,000円) | 10分 / 立ち会いのみ | 繁忙期の追加料金発生、事前予約の必要性 |
| 不用品回収・処分業者 | 取り外し+運搬処分:6,000円〜12,000円 (リサイクル料金別) | 即日対応可能 / 作業全委託 | 無許可業者による高額請求トラブル(要一般廃棄物許可確認) |
ネット上のコミュニティや知恵袋、SNSの投稿を検証すると、「縦型なら動画を見ながら15分で簡単に外せた」という成功談が多い一方、ドラム式に関しては「固定用金具が見当たらず運搬を断られた」「水抜きが不十分で運搬中のトラックの荷台が浸水した」といった深刻なトラブル報告が散見されます。
一般に知られていない盲点と水漏れ事故の深層原因
洗濯機の取り外し・移設において、後から発覚して最も被害が大きくなるのが「階下漏水事故」と「退去時の原状回復トラブル」です。
日本損害保険協会等の事故事例データを紐解くと、集合住宅における水漏れ事故原因の多くに「給水ホースの劣化放置」や「自己作業時のジョイント不完全接続」が挙げられています。特に築年数の経過した物件では、蛇口内部のパッキンが経年劣化で硬化しており、ニップルを緩めた瞬間に止水栓内部のコマが破損して水が止まらなくなるトラブルが起きています。
また、処分を前提として取り外す場合、家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)に基づく適正な処理ルートを確保しなければなりません。無許可の回収業者に引き渡してしまうと、不法投棄による環境汚染や、引き渡し後の思わぬトラブルに巻き込まれる恐れがあります。買い替えであれば購入店舗での引き取り手配、単なる処分の場合は自治体指定の引取場所や指定業者を利用してください。
【プロの結論】自力作業に向いている人・業者へ依頼すべき人の判断基準
家計管理と住環境保全の観点から導き出される、自力作業と業者依頼の明確な境界線は以下の通りです。
自分で取り外すべき人:
- 設置スペースが広く、水栓や排水口へのアクセスが容易な環境にある
- 標準的な縦型洗濯機を使用しており、大人2名以上で本体の移動・運搬が可能である
- 引っ越し費用を数千円でも切り詰めたい明確な予算制約がある
専門業者に依頼すべき人:
- 本体重量が70kgを超える大型ドラム式洗濯機を使用しており、固定ボルトを紛失している
- 防水パンと壁の隙間が数センチしかなく、手が入らない狭小住宅に設置されている
- 賃貸住宅の2階以上に居住しており、万が一の漏水事故に対するリスク許容度が極めて低い

【洗濯機の取り外し方】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:水抜きを忘れて給水ホースを外してしまったらどうなりますか?
A1:水圧がかかった状態のため、ホース接続部から勢いよく水が噴き出します。万が一外してしまった場合は、直ちに蛇口を全閉にし、ブレーカーや周囲の家電製品に水がかからないようタオルで覆ってください。その後、落ち着いて本体の脱水運転を行い、内部の残水を抜く必要があります。
Q2:ドラム式洗濯機の「輸送用固定ボルト」を無くした場合はどうすればいいですか?
A2:ボルトなしでの運搬はメーカー保証の対象外となり、ドラム軸の破損リスクが跳ね上がります。メーカーの公式パーツショップや家電量販店で型番を伝えれば、1本数百円〜セットで2,000円前後で取り寄せ可能です。引っ越しまでに日数がない場合は、引っ越し業者に事前申告し、専用の固定部材を用意できるか相談してください。
Q3:取り外した後の蛇口からポタポタと水が垂れてくる原因は何ですか?
A3:蛇口内部のケレップ(コマパッキン)の劣化や、スピンドルの緩みが主な原因です。ニップルのネジを強く締め付けすぎていた場合、蛇口先端の金属パイプが変形しているケースもあります。賃貸の場合は管理会社へ連絡し、持ち家の場合は水道の元栓を閉めた上でパッキンの交換を行ってください。
まとめ:焦らず確実な手順で安全な撤去を実現する
洗濯機の取り外しは、給水・排水の「水抜き」を確実に行い、各配線の構造を理解して取り組めば、決して難度の高い作業ではありません。浮いた作業工賃を新生活の準備資金や買い替え費用に充てられるメリットは魅力的です。
一方で、重量のあるドラム式の運搬や、スペースの制約がある場所での無理な作業は、家屋の損壊や重大な漏水事故を招くリスクを孕んでいます。自身の体力や設置環境を客観的に見極め、少しでも不安がある場合はプロの手を借りる判断を下すことが、結果として最も安心で確実な選択肢となります。 (出典: 洗濯 機 取り外し 方(Yahoo!ニュース))